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「聞きたくない？」
そう言って悲しそうに笑った
琉惺が私を覗き込む。
「違う…」
「じゃあ、何が嫌？」
困惑しながら首を傾げた
琉惺を見つめた時、
私の頭の中に浮かぶのは
琉惺がくれた言葉たち。
『奈緒の尖った唇、
やっぱ好きだわ』
そう言って何度もくれたキスも。
『いちいち可愛くて腹立つ』
そう言ってきつく
抱きしめてくれた温もりも。
もう…失いたくないから。
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