りか

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りかは、横沢の顔をいつも見ない様にしている。 横沢は、40代半ばの恐らく建設作業員だろうが、顔の造形はとても悪く、頭は禿げており鼻毛は無造作にいつも飛び出ており、唇も荒れたままで皮膚が剥けている。 太った体の横沢は夏になるととても耐えられない様な異臭を放っている。 シャワーを何回浴びても、その異臭が消える事はなかった。 横沢の家の中も饐えた匂いが充満しており、ゴミの山の様だった。 風呂場、トイレも横沢の物と思われる陰毛やわずかに残された頭髪などで汚れており、 りかはいつも来る度に憂鬱な気持ちになった。 りかは、横沢と共にシャワーを浴びると、 「横沢さんまた来るね…今度はいつになりそうかなぁ?」 と甘えた声で横沢に聞いた。 「来週には、週払いの給料が入るから…来週かな」 「じゃぁ待ってるね、またね」 横沢に最後の抱擁と軽いキスをして、りかはアウトコールを店にした。 「りかです。今から出ます」 売上の2万円とローションやグリンスや口腔洗浄液の入ったお仕事バックを持つと りかは、横沢のアパートを出た。 外は、雪がちらついており少しだけ寒かった。
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