愛の歌が聴こえる

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きっとさっきベースを鳴らしていたのは、弾の知り合いだというベーシストだろう。 私は恭平の背後から顔を出し、初対面の彼にペコリと頭を下げた。 「恭平、笑美。おはよう。 全員揃っての練習はこれっきりだからな。 2時間スタジオを借りてるから、この時間でしっかり合わせちゃおう。」 弾はそう私たちに告げた後、ベースを抱えたまま突っ立っている彼を私に紹介してくれた。 「笑美、彼は鴇谷(ときたに)光。 俺と同じ大学の4年目で、今回のライブイベントの主催者でもある。」 光は弾の紹介を受け、私に向かい「よろしく」と頭を下げた。
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