1:平凡、毒舌王様と出会う

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ー回想ー 「愁ー。ちょっとこれやってみてー」 「……ん?」 そう言って、俺に一つの紙を渡した俺の姉貴。『小野寺 紫笑』はニヤニヤしながらこちらを見ている。 「な…何だよ…」 そして渡された紙を見ると、それはパズルだった。 「は?パズル?なんで…」 「まーまーまー、やってみな!!その先の未来のため!!そして私の欲のため!解いて見せろ小野寺愁!」 何か姉貴から無駄な熱気を感じて、渋々やると、めっちゃ難しくて気付いたらのめり込んでやってしまっていた。 「…で……出来た…」 「えっ!本当!?」 すると、姉貴は紙を掻っ攫っていって、どこかに電話をするようだ。 「出来たわ!!今からFAXで送るからよろしく!」 「な、なあ……姉貴。それ何なわけ??」 「ん?編入手続き!」 物凄い笑顔で言われ俺は無表情のまま固まる。平凡な俺とは打って変わって姉貴は母親に似てとても美人だ。いや、待て……編入?……だと…? 「編入!?」 「そ!」 「俺もう行く高校決まってんだけど!?」 「さあ?何のことかなー?で、新しい学校なんだけどー」 「聞け!」 「あの有名な、『菊花園学園』に行ってもらうわー!」 ………は? 「余計可笑しいだろ!!あんなレベル高いとこ!俺レベルが行けるところじゃ……しかもうちはそんな学費を払える程金持ちじゃ…!」 「それは安心してー。そこの理事長の娘と私お友達で。そして仲間だからあっさり許可してくれたわ。なので、安心して行って来なさい!」 「勝手すぎる!!」 けど、姉貴に逆らえない俺はもっと情けないんだろうな…。世の姉がいる方は…この気持ち分かるよな…。 そして、編入の決定と本確定するのはあのパズルで基準点を越せばいいらしい。 そして俺はギリギリセーフだったようだ。何ならそれより下でもよかったんだけど。 ー回想終了ー
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