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「小野寺君、こっち座って。圖枉君は居る?僕としては居てほしいんだけど」
「帰る。時間の無駄だ」
ぶっきら棒にそういうと、圖枉とかいう奴はさっさと部屋から出て行ってしまった。
「……大丈夫?小野寺君。ここに来るまで散々の言われようだったんじゃない?」
優しい笑顔で、心配そうに聞いてくる理事長。やっぱり、誰にでも分かるような性格してんだな。
「まあ……のろまとかのろまとかのろまとか言われましたけど…」
「はは、言われちゃったんだ。」
「もうボロクソ!何なんですかあいつ!」
「まあ…そう怒らないであげて。この学園にいたら少しはあんな曲がった性格になってしまうものだよ。」
少し?!これっぽっちも少しじゃないんですけど!!大分曲がってるってあの人!!
「えっ…、ちょっと待ってください。この学園にいたらって…」
どう言う事だ?
「この学園は男子校だろう?全てが男子校になっているんだ。幼稚園も小学校、中学校、高校、大学とね。そういうことさ」
「…?」
いや、どういうこと…?
「じきに分かるようになる。彼がどんな存在でどう見られているか。きっととても分かるはずだから。」
「………はい」
ま、もう2度と会うことはないと思うけど。
「じゃあざっくりと説明するよ。さっきこの学園は男子校って言ったよね。つまりは、恋愛対象が同性にいくわけだ、小野寺君」
「………え?」
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