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翌朝
用意された朝食を食べながら市原さんに聞くと、彼は暑さも感じないほどに熟睡したらしい。
きっと、私を連れての移動と練習で、すっかり疲れていたのだろう。
「稲森は眠れたか?」
「…うん、ぐっすり」
本当はエアコンの効いた快適な空間にいながら、なかなか寝付くことが出来なかった。
何か考え事をしていたわけじゃない。
ただ…初めての土地で、興奮していたのだろうか。
深い眠りについたのは朝方になってからだった。
熟睡するまでの間に
悲しい夢を見た気がする。
もう…
思い出すことは出来ないけれど
悲しい夢を。
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