3/31
前へ
/31ページ
次へ
「さーて、今日は何すっか?」 既に食べ終わった市原さんがイスの背もたれで背筋を伸ばし、大きな伸びをして言った。 「海に…行きたいな」 「お、水着?」 「…そんな勇気ないけど、海、綺麗なんですよね?」 「そーだな。海水浴場はいっぱいあんな。午前中の涼しい時間に行っとくか」 「はい!」 私たちは朝食の後片付けを済まして、お母さんに告げた。 「ごちそうさまでした。この後、海に行ってきますね」 「はい、はい。気を付けんるんだよ」 「はい、行ってきます」 私たちが食堂を出ようとすると、お母さんが念を押すように言った。 「修司、気を付けるんだよ」 「…ああ…行ってくる」 私たちは母屋に戻って出掛ける支度を始めた。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

757人が本棚に入れています
本棚に追加