5/31
前へ
/31ページ
次へ
「わあ…綺麗…」 その中に私の言葉も混じる。 私の視界は青一色。 正しくは2色の色違いの青。 水色の空に 紺色の海。 今にも混ざり合いそうな空と海を 水平線がかろうじて二色を分離する。 ぼんやりと立ち尽くす私を市原さんが呼んだ。 「稲森、こっち」 市原さんは賑わっている海岸とは逆方向に歩き出した。 私はサンダルを砂に埋めながら、市原さんを追った。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

757人が本棚に入れています
本棚に追加