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「エメーリア離せ、気色悪い。」
軽く眉間に皺をよせて、怒気をはらんだ声でエメーリアと呼んだナースから腕を引き抜く。
「森の再生できるのは~、私達一族だけですよ?精霊は森の破壊にはすっごく厳しいって知ってるくせに~。」
今度は胸にしなだれかかる。ライ凄く嫌そう。
ちなみ俺も森の再生できるよ?エメーリアは俺に鋭い視線を浴びせて、歪んだ笑顔を作っている。
「さっさと仕事をしろ。自然の救護も貴様らの仕事だろう、我は暇では無い。」
冷たく言い放ち更地となった隔離空間を、視線で指す。
「あんまり冷たいと~、再生してあげませんよ?」
エメーリアはライを見上げコテっと首を傾げてみせる。
ライの眉間にものすごく深い皺が刻まれている。
俺も見てて楽しくないので、サクッと森の再生をしましょう。ただねー、コレは流石に略式を声に出さないと難しいみたいなんだ。
「フローラルブーケきらきらポン!森よ、元にも~どれっ☆」
全力でふざけてみた。ピンクのマジカルステッキも出したし、ハートを基本にした振り付けも行うあたり俺のこだわりが分かるだろう。
「…森は元に戻った。解散しろ。」
全員が唖然と俺を見ていると、ライが俺の腰に手を回し一言残して転移した。
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