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握った手のひらを開くとシンプルなルビーの様なピアスが一つ。
「地味ではないか?」
うーん。ライの左耳は軟骨の所も合わせて多分5個は空いてる。そこにジャラっとゴールドでチェーンやら宝石やらが付いた豪華なピアスを着けている。
「左耳のピアスに何かあるの?」
知識を検索してもいいんだけど正直面倒い。
「左耳のピアスは魔族の間では強さを表すのだ。単に力や魔力ではなく財力や狩猟、愛情なども力になる。」
例えば、家族を養う狩猟の正確性の高さ。それに見合う物を着ける事で他者にも解ると言う。
逆に何の力もなく派手に着けていると、罪に問われる事になる。大抵周りの評価でデザインを決めるので罪人はあまり出ないようだ。
「ライは頑張って魔王してるからなぁ。」
人化しても着けている事になるけどそこは譲れないよね。
ベースはプラチナ。上から二つ目の穴迄は筒状で細かな抜きやゴールドで薔薇のような模様を。そこから一番下の穴へゴールドのチェーンを垂らして真紅の石の留め具に繋がる。三つ目と四つ目の穴は今着けているプラチナに小さな宝石が付いている不思議な形の物を再利用。
「どう?」
ライに着けてもらう為に鏡を出す。直ぐに今着けているのを外して俺のを着けてくれた。
何度か角度を変えながら見て頷くと、早速人化してみたようだ。
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