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黒いギルドカードにはギルド名『徒歩三歩』と、俺の名前が銀色で書かれている。
「始めての登録になりますのでFランクになります。此方はFランク専用の採取クエストをクリアするとEランクへ変更されます。言わば仮登録ですね。」
採取クエストはライが転移した森に生えている薬草だ。
「クエストを受けますか?」
受けます。なんか仮登録って気持ち悪いんだよね。
「…。」
無言で頷くとカードを再びカウンター下の箱に差し込む。
「カードの裏にクエストの詳しい情報が記載されます。地図も乗っていますよ。また、採取、討伐のクリアはカードが自動で行いますので、クリア出来たかはカードの裏面でご確認をお願いします。その他のクエストは依頼者から署名、血判をカードの裏に貰います。分からない事は有りますか?」
ゆるゆるなのにカードがハイテクな件。まじまじとカードを見て、裏のクエスト詳細もみて、地図も見る。
「カードでしょ?世界最高峰の技術を盛り込んでいますから。だって面倒でしょう?クエストクリアの度にギルドへ来るのは。ウチのギルドは上級ギルドより技術面では上なのですよ。」
ちょっと自慢気に受付さんはカードを指差す。
「一般のギルド員の中には研究や実験が大好きな方々がいます。その方達に支援の代わりに技術提供をお願いしたりするクエストもあるので、ギルドも皆様も美味しいのです。」
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