第4章 トンネルの中のくらげ -3-

2/33
23人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
  ○ 結局、外にいた機人は全部で五機だった。俺の方に二機、結菜の方に二機、そして車掌室に一機。幸いにもソルジャータイプはいなかったみたいで、十分俺たちで制圧可能な戦力だった。車掌室の方は、結菜が外から拝装で頭部を正確に狙撃し吹き飛ばしてしまった。我が妹ながら容赦が無い。 「た、助かりましたぁー……」 俺たちの姿を見て、半泣きのままぐったりと操作盤へ顔を埋めたのはまだ幼さの残る顔立ちの女性車掌だった。 「たまたま偶然、警兵学徒さんが三人も乗り合わせてくれるなんて、不幸中の幸いな幸運ですぅ……。てっきり自分はもう、十八年の短すぎる生涯を終えてしまうのかと……」 きっと車掌の天命を受け、高校を出てすぐ就職したんだろう。この辺りならそう珍しい事じゃない。黒髪をポニーテルにした頭髪の上に、ちょこんと制帽が乗っけられている。  
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!