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リカー空間の広がる空。
その下にある宮殿の正面広場には、巨大な樽が置いてある。
機材に囲まれてはいるが、野ざらしだ。
宮殿という大きな建造物にも入らないほど、樽はコンビナートのタンクのようにでかい。
それを見つめる工場長ドライバー。
いや、工場を失った今、元工場長だろうか。
「なるほど。それが目覚めの勇者の弱点か」
「ヤツは浄化の能力をコントロールできていません。完全ではないのです」
片膝をついたパトラの進言に耳を傾ける。
「それであの力だというなら恐ろしい事この上ないが、対策があるのだな?」
「はい。強力ながらも繊細なデンスイーター。それならば、やれます」
ドライバーは振り返り、宮殿の塔を見た。
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