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「朱音っ!」
おれは、天井に向かって手を伸ばしていた。
それに息切れが激しくてすごい汗をかいている。
.....またか、あの日からいつもあのときの夢をみる。
朱音の不安そうな顔と震えた手...。
今でもしっかり覚えてる。
そして、掴むことすらできなかったことも....
おれはふと時計をみる。
4時ぐらいか、おれは毎回うなされて起きるのでなかなか熟睡することができなくなっていた。
バイトの時間は昼からなので時間はあるが、もう一度寝る気にはなれなかった。
バイトまで時間がありすぎてなにをしようか考えたが、特になにも思い浮かばず、とりあえず汗がすごかったためシャワーを浴びることにした。
シャワーを浴びた後、暫くソファーでテレビをつけて俺はぼーっとしていた。
時刻が6時になったとき、静かな部屋から目覚まし時計の高い音が部屋中に鳴り響いた。
おれは朱音の部屋にいき、いつものように目覚まし時計を止める。
おれはあの日からこの目覚まし時計をリセットしなかった。
いつかこの目覚まし時計を止めに朱音の部屋に行った時、あのいつもの布団にくるまった朱音がいるんじゃないかと.....
そんな甘い考えを俺は拭いきれなかった
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