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暫くすると顔洗って、制服に着替えた朱音がやってきた。
「おし、ご飯にするか」
「うん!」
いただきますと二人揃えていうと、簡単な朝食に箸を進めていく、
まだ真新しい制服を着た朱音に話しかけた。
「今日から高校生だな」
「うん!特に心配はなかったけど凛ちゃんと無事に第一志望に受かってよかった!」
そういって明るい笑顔を振りまいていく、朝の朱音とは思えない明るさだ
「よかったな、まぁ朱音は問題なかったが凛ちゃんはちょっと心配だったからな」
「うん!勉強一緒にやってきたかいがあったよ!
....それと無事に高校入学できたのは兄ちゃんのおかげだよ!」
.....そういって急に朱音からお礼を言われて、少し動揺した。
「.....兄ちゃんなんだから当たり前だろ?」
「ううん、お母さんが亡くなってからずっと塞ぎ込んで学校にもいかない時期があったけど、兄ちゃんが一緒にいて支えてくれたり、それに生活費や学費とかだって....」
たしかにいろいろあったが、俺だけじゃないし、朱音の周りの人みんなが心配してくれた。
「...そんなことは気にしなくていいんだよ、朱音が楽しく学校に通ってくれれば、俺もうれしいから」
そういうが朱音はおもいきり首を横に振った。
「ううん、それでもやっぱりちゃんと伝えたいんだ!
兄ちゃんありがと!」
「.....おう」
満面の笑顔でお礼を言われたので、少し照れたように感謝の言葉を受け取った。
「うん!それと私高校生になったからバイトもできるようになったし、兄ちゃんの負担も減ると思うから....大好きなテニスまた初められるよ!」
そういって朱音は楽しそうに話すが、俺は眉間にしわを寄せる。
「.....バイトはダメだ」
「え?!なんで?!」
朱音はそう言われると思ってなかったようで、目を見開いて答える。
「朱音は自分の好きなことしなさい、お金とか気にしなくていいから」
「で、でも....」
朱音にそういったが朱音は納得していなそうだった。そのとき....
ピーンポーンっと高い呼び出し音がなったおそらく凛ちゃんだろう
「....ほら、凛ちゃんだろ?学校いく準備しな?」
「....うん...わかった」
朱音はまだなにか言いたそうだったが、凛ちゃんを待たせているため、急いで支度し始める。
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