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翔子には小さい頃からの幼なじみである由美がいた。二人は家が隣同士ということもあり、小さい頃からよく遊んだ。
最初から住んでいたのは由美のほうで、三歳の頃に由美の隣へ引っ越してきたのは、翔子たちである。
両親とお隣へあいさつに行ったとき、翔子も一緒に行ったが、両親の後ろに隠れていた。もちろん、怖かったからではない。まだ、三歳ということもあり、人見知りもはげしかったせいである。そして、呼び出しチャイムを鳴らしたとき、まず、由美の両親が出てきた。とても人がいい感じで、挨拶もハキハキしており、感じのいい人だった。両親同士話をしていると、あっ と気づいたように由美の両親は、
「由美ちゃーん。おとなりさんきているからこっちにきなさーい。」
と呼ぶと
「はあーい」
と奥から声が聞こえ、バタバタと軽くかけあしのような音がどんどん近づいてきた。
「あら、うちの翔子と同じ歳ぐらいかな。お嬢さん何歳?」
「ほら、由美何歳なったの?」
すると、由美は指を三本立てた。
「やっぱり、うちの翔子と同い年だ。翔子ご挨拶は?」
私は両親の後ろから一歩前へ出た。
「し、翔子です。」
恥ずかしく、それしか言えなかった。
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