一章

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「気を付けてね」  パールが手を振る。皿は既に空だった。 「社交界は確かに今からが本番ですな。ルビー殿、一杯やっていきますかな?」 「いやいや。明日も早いんで俺はこれで失礼するよ」  ルビーも剣を付け直す。いつものムーンの洒落だ。帰りも行きも皆ばらばらに隠れ家を出る。  会合が違法とされる理由。キラクは帰路に着いて思う。他者が関わることになんの問題もないこの世界で、ブレイブの危険度は誰もが理解している。興味を持つものは災厄に見舞われる。それが世界で唯一統一されたものであることは確かだった。
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