一章

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 大体、アリシャはブレイブの魔物のことばかり考えている。それでも、次第にクロウを意識した。寧ろ、離れたくないとすら思うようになっていた。  アリシャは、他の男と体を重ねたことがない。アリシャが一途なのではなく、単にアリシャの周りの男をクロウが追い払っているだけの話だ。  アリシャは浮気を知らないし、する概念がない。結局、そうしたのがクロウなのだからアリシャはクロウが居れば良かった。  完全な刷り込みだとキラクが時折笑う。アリシャはキラクをその対象と見ることが出来ない。血縁者でもないのに近親相姦という言葉を思い出す度に気持ち悪くなる。キラクは兄みたいなものなのだ。  姉のアートは、そんなアリシャを嘲笑うが気にしてもいない。一番厄介なのはクロウが居ないときに手を出してくるアートの夫で時期王位継承者のリックだった。クロウがいるときだけ、大人しい。クロウにも話してある。
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