第5章

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確かに、登季子さんの料理を食べるときと食べるスピードは特に変わりないように思える。 ……喜んでくれてるなら、よかった。   ――一度きりの人生よ。後悔しないで。   猫さんが永井さんに言った言葉を思い出す。   今の仕事がどういうものなのか、僕にはまだよくわからない。 けれど、必要な店なのだろうということも最近分かってきた。 今の生活で困っているところも特にない。 僕の人生の先はまだまだ見えないけれど、猫さんが何者なのか、きっとこれから分かることもあるだろう。 もうしばらく、この店で働くのもいいかもしれない。   これから僕がどんな人に出会っていくのか、猫さんとの関係がどうなっていくのか、それは多分また……別のお話。
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