第1章

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彼女は戸惑いながら私の後ろから付いて来たと思う。彼のクラスメイトが軽口を叩いて教室に招き入れてくれた。 私の通う高校とは校風が違うんだなと感じた。 雑然とした教室の椅子に適当に三人は座ったけれど、話した内容は全く覚えていない。 彼の髪は中学時代の五分刈りより少し伸びていた。 元々大人っぽい顔立ちの彼に少し伸びた髪は似合っていた。 落ち着いた雰囲気の顔立ちなのに顔の表情はどこかあどけなさがあって、そのチグハグな感じはそのまま変わらずにあった。 特に話す事もなく『元気だった?』等と、ありきたりのやり取りをして後は沈黙していたと思う。
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