第1章

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そして最後に彼にどちらかが『そろそろ帰るね。』と言い、彼に玄関辺りまで見送ってもらった気がする。 彼女は彼に会えて良かったと思ったのか、今でも分からない。 私は彼の方から私の父親と話す為に家に電話を掛けてくるかもしれないと思っていたので、これが彼に会う最後の機会になるとは思ってもいなかった。 彼は彼女の思いに気が付いたのか、それは今でもわからない。 気が付いていても多分何も変わらなかったように思う。 学校を出ると西日がやたらと眩しかった。 それでいて少し肌寒かったような気がする。
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