朱色の太陽

第1章

だから私は『大人びた演技』をしなかっただけだ。
そのせいなのか、私とあまりにも性格の違うクラスメイトの一人と何故か一緒に行動する事が多かった。
彼女も密かにそのような『大人振った』クラスメイトを嫌っていたように思う。
今だからそう感じる。
当時はそんな事を確かめもしなかったけれど、付き合いが長いせいか私は無意識に彼女のそんな思いに同意していたように思う。
仲が良いとは少し違う。
心を通わせたような覚えもない。
むしろ彼女が私に無理に合わせていた事が多いようにも思える。
彼女は小学校の時から成績はトップクラスのいわゆる『良い子』。