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あたしは
どっちのことを心配しているんだろう
言われてこんなにドキッとするなんて
意識しているということだ
一体どっちのことが気になって…
「それは……」
「それは?」
優しいトーンで聞く佐条くんが
あたしの髪を撫でる
あまりに綺麗な顔で
見つめられ
鼓動が激しくなっていく
「ど…どっちも、です」
あたしは真っ赤になったまま答えた
「どっちのことも
心配だから…」
すると佐条くんは
あたしの髪をするりと撫で
「…君は欲張りだね」
そう囁いて手を離す
小さく笑んだまま
「じゃあ、あいつのいないところで
こんなことするのは
フェアじゃないね」
甘く笑むと
その場を去って行った
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