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「まぁね。
疲れてんのかな。
総体もテストも近いしな。
とりあえず、シャワー借りるわ」
私の腰に手を回し、顎を、片手でグイっと持ち上げて、噛み付くようなキスを落とす。
そのまま、すぐに腕を離して、バスルームに向かおうとする仁を、呼び止めた。
「ちょ……っと、待って」
「何……?」
ジロっとこっちを振り返る。
笑顔はなくて、仁の心は何一つ見えない。
「もう止めない?この関係……」
ピクっと仁の眉毛が動いて、動揺してるように見えたのはほんの一瞬。
仁は、私の腰を再び抱く。
「何?
本命の彼氏でもできた?
あぁ、昨日のデートの男?」
耳を軽く噛みながら囁かれる低い声に、私の体は、ビクンと反応してしまう。
私の弱いところなんて、全部、知られてる。
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