華乃と龍成の別れ

4/8
前へ
 /221ページ
次へ
「なんかあったらすぐ連絡しろよ」 「それ昨日も聞いたんだけど。なんかってなによ」 「なんでもいいから。俺の計画に付き合ってもらったんだから、少しは礼を」 「ぷ。なにが礼よ、それなら真剣な謝罪の言葉を聞きたいわ」 本当に龍成から聞きたいのは、そんな言葉じゃない。 「わ る か っ 」 「ふざけんなばーか」 「──華乃ちゃん?俺の精一杯の謝罪を」 「うるさい、黙れハゲ。ほら着いた」 「おいこら、口悪すぎだっての」 「着いたから降りてよ」 「このやろ」 文句を言いながらも、車から降りる龍成。 ……着いちゃった。もう、提出するだけだ。 涙が出そうになるのを、唇を噛んでどうにか堪える。 「華乃?」 車に乗ったままでいるわたしを、龍成は運転席の窓を軽くノックしながら呼ぶ。 龍成の方を見ないように車から降り、駐車場から区役所まで歩いた。 …結構きついな。 無理かも。二人で離婚届を出しにいくなんて…。 区役所の入り口の手前でわたしは立ち止まった。 「…華乃?」

最初のコメントを投稿しよう!

2778人が本棚に入れています
本棚に追加
広告非表示!エブリスタEXはこちら>>