第1章

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コンコン ローエン「連れて来ました。」 男「入りなさい。」 部屋の中から声が聞こえてきた。 ローエンが扉を開けて私の背中を押した。 ローエン「この娘が聖愛です。」 男「おお!そうか、そうか、もっと近くに来ておくれ。」 ベッドの上に一人の中年くらいの男性が横になっていた。 私は言われるがまま近くまで行った。 男「なるほど!確かに面影があるのぉ。」 私「貴方はどちら様でしょう?」 男「ああ!すまない。自己紹介が遅れてしまったね。 私はエドワードだよ。そこにいるのは私の息子だ。」 私「どうして私をここへ?」 エドワード「君の父とは古い友人でね。君にはもっと早くに出逢いたかったのだが、中々見付からなくてねぇ。 辛い思いをしただろう?」 私「父の事、ご存じなのですか?」 エドワード「ああ!もちろんだとも!いい友人だったよ。亡くなったと聞いた時は悲しかった。 何もしてやれなくてすまない。」 私「そんな!もったいないお言葉です!」 エドワード「君は優しいな。その優しい所はお母さんに似たのかもしれんな。」 私「母の事もご存じなのですか?」 エドワード「もちろんだとも!異国の人と結婚すると聞いた時は驚いたがね。」 私「父も母も優しい人でした。」 ローエン「昔話は後にしてくれませんか。」 私「あの!結婚ってどういう事でしょう?」 エドワード「君の父との約束でね。お互いに困った事があったら助け合おうと決めてたのだよ。」 私「それと結婚が関係してるのですか?」
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