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コンコン
ローエン「連れて来ました。」
男「入りなさい。」
部屋の中から声が聞こえてきた。
ローエンが扉を開けて私の背中を押した。
ローエン「この娘が聖愛です。」
男「おお!そうか、そうか、もっと近くに来ておくれ。」
ベッドの上に一人の中年くらいの男性が横になっていた。
私は言われるがまま近くまで行った。
男「なるほど!確かに面影があるのぉ。」
私「貴方はどちら様でしょう?」
男「ああ!すまない。自己紹介が遅れてしまったね。
私はエドワードだよ。そこにいるのは私の息子だ。」
私「どうして私をここへ?」
エドワード「君の父とは古い友人でね。君にはもっと早くに出逢いたかったのだが、中々見付からなくてねぇ。
辛い思いをしただろう?」
私「父の事、ご存じなのですか?」
エドワード「ああ!もちろんだとも!いい友人だったよ。亡くなったと聞いた時は悲しかった。
何もしてやれなくてすまない。」
私「そんな!もったいないお言葉です!」
エドワード「君は優しいな。その優しい所はお母さんに似たのかもしれんな。」
私「母の事もご存じなのですか?」
エドワード「もちろんだとも!異国の人と結婚すると聞いた時は驚いたがね。」
私「父も母も優しい人でした。」
ローエン「昔話は後にしてくれませんか。」
私「あの!結婚ってどういう事でしょう?」
エドワード「君の父との約束でね。お互いに困った事があったら助け合おうと決めてたのだよ。」
私「それと結婚が関係してるのですか?」
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