花時

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大学の入学的続き、学費の支払い、定期券の購入…。 当然のように色んな手続きを美香は全て一人で済ませた。 大阪のアパートから大学まで通い、週末は新幹線で東京に出向く。 金曜日、土曜日と銀座プルメリアでのアルバイトの為である。 恭子は入学の祝金に30万も入った封筒とお店で使えるようにとシャネルのポーチをくれ、美香のドレス選びに付き合った。 自分が通っている美容院にも連れて行き、毎週の専属スタイリストもつけた。 高校卒業前とは生活が一転し、美香は週末の東京でいい物、上等な物をどんどん覚えていった。 蝶が羽化するかの如く…美香の美しさは最高潮に達する。 銀座での接客はまだ緊張の連続で、恭子が随時同席をして自分の客に美香を紹介して回った。 恭子のとある太客が会社名義でキープしているホテルの一室で美香は金曜と土曜の夜を過ごす。 達也も内心、内気な美香が心配で度々 音楽関係者と一緒に店を訪れた。
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