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正直なところ、来るもの拒まずで優は百合子の気持ちを利用している部分があり
自分でも少なからずそのことに気が付いていた。
でも今はそれを断ち切る時間もエネルギーも持ち合わせていない。
東京に行けば自然に終わりが来るだろう。そんな風に思っていた。
毎朝5時半に起き、朝ごはんが出てくる30分の間ですら英単語や日本史の暗記に費やすほど勉強に打ち込む。
美香は知っていた。男子の方が女子よりも後半から成績を追い上げてくるのだ。
それは体力の差とでも言うのか…部活を引退した男子が持て余す体力と精神力が全て受験勉強に注がれた時、ぐっと成績が伸び最初から勤勉な女子を追い抜いてゆく。
だから優の本当の頑張り時は部活を引退した夏以降であろう。
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