起章 第1幕 ~時空調査員~

8/21
前へ
/426ページ
次へ
「ダキア!!」 叫ぶ俺の横を疾風の如く駆け抜け、例の調査員がゴーレムの拳めがけて呪術を発動した。 「水霊よ!我が命に応えろ! "インテンス・フロー"!!」 ゴオォォォー! 呪文を僅かに省略したため威力は落ちたが、激しい水流によってゴーレムの拳をダキアからそらす事ができた。 「エジスタさん、ありがとうございます。おかげで助かりました。」 「ダキア、礼は奴を倒してからでいい。気を抜くな!」 調査局にはあの人みたいな凄い人がいるのか。 そんな事を考えていると、俺も調査員=エジスタに注意された。 「オイ、新入り、モタモタするな!早くしないと…」 「エジスタさん!危ない!」 だが既に遅かった。 ドゴォォーン! ゴーレムが彼に反撃してきたのだ。 「ぐはっ!」 彼はそのまま6メートルほど飛ばされ、俺とラフィアの近くに落下した。 「きゃっ!血…血が…!」 「大丈夫ですか!?先輩!先輩!」 と、俺とラフィア様は心配したのだが… 「ん?これは…ケチャップ!?」 俺が言うと同時にエジスタさんはムクリと起きた。
/426ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加