第1話 メンヘラ刑事 1

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「本日付けで、こちらに研修生として配属されました警部補の梅林寺凛々子(ばいりんじ りりこ)です。 趣味は、自殺方法の研究。 将来の夢は、楽な方法で、すぐに死ぬ事です」 好天の十一月始めの朝。 神戸の中心街である三宮駅と、隣にある元町駅の真ん中あたり。 正面に六甲山、背中に神戸港を臨む。 警察本部庁舎では全国で最も背が高い、地上23階建ての兵庫県警。 「あだ名は『メンヘラ』で構いません。短い間になるかもしれませんが、よろしくお願いします」 県警の一室に、抑揚のない声が響いた。
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