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ぴとり。七美の首筋に冷たいものが当たり「ひゃん!」と声を上げてしまう。
「人気者になりたいなら部活でもすればいいさっ」
「かずほん、ビックリするでしょ」
和穂の肩を思い切り叩く。パシンと音が鳴り、レジに立つ店員の顔が険しくなる。
「じゃ~、私らの部活入らない?」
美黄がトテトテと軽やかな足取りで七美に近寄る。
「え~、美黄ちゃんの部活は怪しいし」
「ただの特撮部だって、月一で発表してるじゃん。考えといてよ、スカウトだからね!」
そう言うとレジにお菓子を3つ程持って行く。店員の表情が作り笑いに変わる。
「じゃ、早く出よう。うるさくしても迷惑だし」
明神に言われ会計を済まし、コンビニを出ると鞄に買った物を詰め込んで、学校に向かった。
昼休み。話し声が遠く聞こえる校舎の隅にある教室。ドアの上には「映怪倶楽部」の文字がカラフルに大きく掲げられている。
離れた位置にあるせいで見るのは部員のみとなってしまった。
「勧誘してきたよ、本当に良かったの?」
美黄がビニール袋を片手に騒がしく入ってくる。
「うるさいな」
「部長命令だし、アイツの意思でもあるんだろ?」
長机に足を乗せて携帯電話をいじる女子が部長のいる窓際の席に視線を移す。
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