第一章:《黒髪紅眼の破壊者》

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?「誰だ、ねェ。それはこっちの台詞だが‥‥フム、まぁ答えてやらんでもないぞ」 炎のなかから、ゆらりと姿を現したのは、男。 漆黒の変わった形の鎧を身に纏う白髪混じりの髪の男だった。 ?「‥‥‥‥っ」 サイナの腕の中で眠っていた少女が目を覚ます。 少女は目を開くと、辺りを見回し、やがて小さく呟いた。 ?「‥‥みん、な‥‥?」 ?「ほう、目を覚ましてしまったか。まぁ良い。どちらにせよ卿らには死んでもらうぞ」 男が指を鳴らすと、周囲に先程現れたものと同じ魔物が地面から姿を現した。 クロウ「‥‥貴様の仕業か」 ?「そうとも。この街を美しく染め上げたのは他でもない、この儂よ」 サイナ「美しく‥‥?」 ?「なんだァ、もしや卿らも我が芸術的な作品を理解できないカワイソーな連中か? いやはや全く、いかんなァ最近の若者は」 なんだ、こいつは。 王都を滅茶苦茶にしておいて、何が芸術的か。 ?「ンー‥‥やはり、飾り気の無い建造物も燃え盛ればそれなりに美しい‥‥だが逃げ惑い、やがて焦げた肉塊に変わりゆく人々の姿はやはりッ! いつ見ても心が躍る‥‥! そうは思わんかね、惨めな生き残りの諸君ッ!」 サイナ「‥‥何を言ってるんですか、あなたは‥‥」 クロウ「‥‥‥‥」 どうやら、まともな対話ができる人種ではないらしい。 ?「‥‥ラヴィード君‥‥皆‥‥」 先程の水色の髪の少女は、小さく呟く。 サイナ「私の側を離れないでください」 ?「‥‥あなた達は‥‥?」 サイナ「通りすがりです。とにかく、死にたくなければ動かないでください!」 魔物が一斉に襲ってくる。 この少女を守りながら戦わなければならない。 身体が思うように動かないこの状況では、決して簡単な事ではないが‥‥! クロウ「たぁっ!」 クロウは魔物に飛びかかり、身体を剣で突き刺すと、直ぐ様石畳に剣で滑らせ、走りながら次の標的を切り上げて倒す。 死角から襲ってきた魔物の一撃を躱し、双剣で十字に切り裂く。 一撃さえ与えれば、奴等は消える。 だが魔物は絶え間なく襲ってくる。 クロウ「ちっ‥‥!」 サイナ「はああっ!!」 サイナは鞘に納めたままの太刀で豪快に薙ぎ払い、魔物を蹴散らしていく。 しかし倒したそばから沸いてくる魔物の前では、体力の浪費でしかなかった。 クロウ「やはり、頭を狙うしかないか‥‥!」 クロウは標的をあの男に定め、一気に距離を詰める。 やはり、身体が重い。 だが――――
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