序章:《神話》

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◆◇◆  頁は捲られ―――― ◆◇◆  《神話》と呼ばれた時代から数千年。  かつて、この天上にはもう一つの世界が広がっていた。  天上世界、ラ・グランキュベレー。地上世界、イグザ・マーテルと対を為す世界。  技術の進歩したラ・グランキュベレーに対し、文化的な発展を遂げたイグザ・マーテル。  時が進むにつれ、寄り添いあってきた二つの世界に亀裂が生じ始める。  地上世界、イグザ・マーテルの衰退。  万物を司る《霊樹》が枯れ、世界全体が弱り始めていた。  世界の崩壊の始まりである。 ◆◇◆  霊樹と霊樹は互いに繋がっている。  しかし、その力は同じではない。  ラ・グランキュベレーに存在している霊樹が、イグザ・マーテルの霊樹の力を奪い始めていたのである。  地上人は考えた。  イグザ・マーテルを救う方法を。 ◆◇◆  そしてまた、時は流れる――――  天上に《空》を見せる地上世界、イグザ・マーテル。  僅かな刻を伸ばした霊樹の力も、もはや限界に達していた。  二度目の世界の崩壊が始まる。 ◆◇◆
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