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『体が冷え切っているわね。今温かい飲み物を持ってくるわ』
アツシはシスターの優しい言葉に堪えきれず涙を零す。
『どうぞ』
シスターは温かいコーヒーを淹れてくれた。アツシはカップを受け取り口をつける。熱いコーヒーが喉を通っていくと、少しだけ体が温かくなった気がした。
『ありがとうございます』
アツシが礼を言うとシスターはにっこりと微笑んだ。
『神の子を助けるのは当然の事。あなたは護られているのですよ』
シスターはそう言ってアツシの胸元の十字架に触れた。
『あの…』
アツシはコーヒーを飲み終えるとためらいがちに口を開いた。
『どうしました?』
アツシの目はピアノを見つめていた。シスターはそれに気づいたのか優しく微笑んだ。
『ピアノを弾いてみる?』
見透かされているようで恥ずかしくもあったが、アツシはシスターの言葉に頷く。
そんなアツシの様子を見たシスターは嬉しそうに言葉を紡ぐ。
『あなたはとても純粋な人ね。ピアノが好きなのが伝わってくるわ』
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