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「あ…ありが…」
少女は震える声でお礼を口にしようするが、うまく話せないようだった。
「無理をするな。…立てるか?とりあえず私の家に来い」
行くところもないだろう?と女は少女の服を見て言った。
少女の服は、この江戸には似つかわしくないセーラー服だった。
「そうだお前、名前は?」
女は少女に手を差し伸べた。
白く美しい女の手に少し躊躇するも、少女はそれにゆっくりと手を伸ばした。
「鈴花…です」
「鈴花か…良い名前だ。私は雅楽という」
雅楽と名乗った女は、うっすらと微笑んだ。
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