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雅楽の家には、そこから10分も経たないうちにたどり着いた。
「その格好でこの町をうろつくのは目立つ。とりあえず私の着物に着替えた方がいい」
雅楽は家に着いた早々、鈴花に着物を手渡した。
淡い黄色の地に、桃色の花が咲き乱れている。
「き…れい…」
「その着物は初めて買った女物の着物だな」
「初めて…?」
不思議そうな顔をする鈴花を見て、雅楽は意味深な笑みを浮かべた。
「いずれ分かる」
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