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「あ…よろしくお願いします」
「ああ」
雅楽は短く返事をすると、手際良く鈴花の着付けをした。
「…帯が…苦しいです」
「最初はそんなものだろう。慣れれば問題ない」
雅楽は薄く微笑むと、鈴花に座るよう促した。
「お前に少し聞きたいことがある」
鈴花が座った途端、雅楽はそう切り出した。
先刻とは違う空気が流れているような気がして、鈴花は緊張した面持ちで雅楽を見つめた。
「お前は外の世界から来た。ではどうやってこの江戸に入ったんだ?」
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