秘密

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立ち上がったと思った途端、前によろけてしまった。 「あ…!」 体制を崩した鈴花はそのまま前にいる雅楽に倒れこんだ。 そのときに、無意識に雅楽の着物を掴んでしまい、ずるりと着物がはだける。 「すみませ…」 謝ろうと顔を上げた鈴花は、目の前に広がる光景に固まった。 鈴花の目の前にいるこの女性には、胸がないのだ。 ただ単に胸が小さいとかそういう問題ではない。 まさしく『ない』のだ。
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