1人が本棚に入れています
本棚に追加
「…薬を打たれたんだ。研究者を名乗る男に」
突然の雅楽の言葉に、鈴花は一度思考を停止した。
「…薬…?」
「ああ…昼は女、夜は男の姿になる薬だ。…その研究者がなぜ私に薬を打ったのかは未だ分かっていないが」
だから先刻、夕焼けを見て声を漏らしたのか。
それが男に戻る合図だから…
「そこで改めてお前に聞きたい事がある」
紅に染まる空に背を向けて、雅楽は鈴花をまっすぐに見た。
「今話した薬や研究者について、何か知っていることは無いか?」
最初のコメントを投稿しよう!