1991年 パリ

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1991年ー時代はバブルの崩壊、その後に続く「失われた10年」へ向かって突き進んでいた。 そんな激動に包まれた日本を出て 美香はパリの大学に席を置いていた。 留学のためにフランス語会話に身を入れて きっちりと勉強をしたものの、 やはり現地では生活の場面を始めとする色んな面に置いて苦労をしながら そして世話係の温かいクラスメイトに助けられながら過ごす。 最初の三か月は、あまりに大変でパリを楽しむどころではなかった。 そして、日本食が何よりも恋しかった。 京都生まれという事もあり、だしの風味が一番恋しい。 大根の煮つけとか、茶わん蒸し、鱧(ハモ)のお吸い物、里芋の煮つけ… ありとあらゆる和食が恋しい。
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