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「それではカザミーユ。まずは他の皆さんの紹介をしますね」
マーガレットが告げ、悠の前に一人の女性が近づく。
「カザミーユ様。初めてお目にかかります。私はノエル様の側近を勤めております。ガサリウス・ラインライトと申します。以後よろしくお願いいたします」
丁寧に頭を下げる黒髪の女性を見て、悠はノエルの方を見る。
視線に気付いたノエルは露骨に顔をしかめて、
「なんだ?」
「いや、側近の方がよっぽど礼儀が…いた!」
言葉の途中で頭を叩かれ、悠はノエルを睨む。
「次の方をご紹介しても?」
マーガレットの言葉に頷く。
次に出てきたのは初老を迎えたのだろう老人だった。
「私はハーバル・サラニエル。クラミナ王国で伯爵の位をいただいております」
「サラニエル卿には主に革命軍の資金援助をして頂いているのですよ」
マーガレットの説明に頷き、ハーバルに手を差し出す。
「よろしくお願いします」
「いえいえ、こちらこそ」
握手を交わす二人。悠はハーバルの耳元に顔を近づけると囁く。
「王への情報提供料はいくらだー。」
その言葉にハーバルは悠から距離を取る。その顔は真っ赤になっていた。
「き、貴様、なにを…」
「俺はてっきりこの革命軍の情報を流すことで王様からマージン…要するに儲けだ。貰ってると思ったんだが?」
その言葉に場の空気が凍った。そのなかで悠は一人不敵に微笑んでいた。
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