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不敵に笑いながら佇む悠に声をかけたのは意外にも疑惑の渦中にいる人物。ハーバルだった。
「カザミーユ殿!! なにを仰せになられるか!? 私は国を憂い此度の革命軍に協力しておる!! 当然儂が死ぬことも覚悟の上じゃ!! その決断を汚すことはいくら軍師殿でも許しはせんぞ!!」
年老いてなお放つ威厳。その威厳を身に受け、悠は笑った。そしてそのまま膝をつく。
「!?」
突然の悠の行動に周りは目を丸くする。
「ご無礼をお許しください。ハーバル卿。此度の戦は国には知られてはならないもの。それ故に私も慎重にならざるを得なかったのです。ですが、ハーバル卿のご覚悟を受け安心することができました。重ねて謝罪いたします」
悠の豹変ぶりに戸惑いながらもハーバルは告げる。
「お気になさるな。むしろ、万全の体制をひく軍師殿に感銘を受ける。此度の戦、軍師殿の知恵により勝利をおさめください」
その言葉に悠は礼を述べながら、ガサリウスの方へと向き直る。
「ガサ。早速指令だ」
「は、はい! なんでしょうか!」
「これから俺のボディーガードを頼む」
「は、はぁ…。姫ではなく…ですか?」
ガサリウスの言葉に悠は頷き、とんでもないことを言い出した。
「だって今から王宮に行くのに護衛無しとか無理ゲーじゃん?」
悠の言葉に周りの空気が凍った。
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