第1章 競技開始

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状況を整理しよう。 俺は一人部屋でゲームをしていたはずだ。それが、なんでこんなところに居る? というよりここは外だ。久しぶりに踏みしめた地面の感触が懐かしい。だが、ここはどこだ? 少し遠くを見渡すと城…いや、戦略ゲームでよく見る…宮殿? のようなものがある。 少なくともここは日本ではないな。外国…ヨーロッパのほうか? なにぶん引きこもりの知識なんかたかが知れてる。 まぁ、取り敢えずここが何処なのか分かる場所まで行かないとな。 なんとか考えることができた悠は立ち上がる。だが、足がぐらつく。 「お? やっぱ、引きこもりが長すぎたか…?」 呟いて歩を進めるが、思ったよりも筋肉は衰えているらしい。 「ヤバイ、これは早く腰を据えられる場所を探さないと…」 悠の危惧に関わらず、思ったよりも簡単に町にたどり着いてしまう。宮殿を頼りに歩いていたが、宮殿を中心に広がる都市のようだ。 「こういうときは普通呼んだ奴が説明に来るんだがな…。ったく不親切だな」 愚痴りながらも、宮殿を中心に囲まれている城壁を眺める。 「ふむ…。これを見る限りすでに現代である可能性は無くなったな」 自分でもすんなりと理解してしまう。それは悠本人の適応力も有るのだろうが、悠が現代に未練が無いことを表していた。 「情報が飛び交う酒場って言うのがドラ○エの定番だよな。ってかRPGの基本に従うか」 悠は酒場らしき場所を見つけ、迷わず入る。 そこから悠の運命は変わってしまう。あのとき唱えた言葉。 『シャッフル』 まさか、この一言で全てが混ざり切ってしまうことを悠はまだ、知らなかった。
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