わりと魔術

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「それが……無難に過ごすコツですか?」 「そうです。それが無難に生きていく秘訣なのです!」  こうして、サイレント魔術師ルートが誕生した。  まあ、アリシアの前だったら、それなりに声は出すけど、それ以外の人の前では何を唱えているかわからなくする。  それもひとつの目立たぬ生活の処方箋だ。  ちなみに、その日俺が放った炎は多くの人に目撃され、怪現象として語られることになったのだが、ポーラさんが自ら悪役を買って出てくれた。 「すみません……、森でお散歩してたら、お菓子を落としちゃって。  あまりにもショックで腹が立ったので、腹いせにすっごい魔術を使っちゃいました」  とかなんとか。  それで周囲の人を納得させられるポーラさんの普段のキャラってどうなの?
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