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「おっと、試合開始はまだだろ。
折角剣術戦で勝った奴が魔術戦は棄権する、一戦戦っただけで魔力が枯渇するような未熟な魔術師にも歯が立たない。
最弱のチームじゃないか君たちは。
そのチームの大将。どうせ、すぐに終わるんだ。試合で片をつけようじゃないか」
誘っている。俺の怒りを。冷静さを失わそうと。
だが! ここで、冷静さを取り戻して何が叶う!?
アリシアを道具扱いし、仲間を侮辱する。俺の一番嫌いなタイプの人間だ。
「両者準備はいいか? はじめるぞ?」
「どうぞ。早くしてくれないと、この野蛮人が今にもルールを無視して飛び掛ってきそうですから」
ロイエルトの言葉に審判員が軽く肯いた。
「では、始め!」
開始の合図を受けて――合図を聞きながら――俺は思わず叫んでいた。
「俺はっ! お前をっ! 絶対に無難でいさせねえぇっ!」
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