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「どうした!?
ルート・ハルバード」
審判員が俺に声を掛ける。
「いえ。試合は継続ですよね?」
俺は、まだその形が保たれたままの剣を差し向けて聞いた。
「ああ……」
審判員は迷うように言う。
今の一連の流れで俺の勝利は決まったようなものだ。
現にあと数センチ、剣をロイエルトの喉突き出していれば、攻撃判定が下り俺の剣は砕け散っただろう。
ルールとしてはそれだけで勝利となる。
だが。
そんなことで俺の怒りは収まらない。
「だそうだ。ロイエルト。
かかってこいよ。お前の力の全てを見せて見ろ!
その上で!
お前の無力さを思い知るがいい!」
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