疾風迅雷

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 2年になった。  例年、この時期になると総合科で残っている生徒はほんの少数。  クラスを維持できるだけの人数がおらず、総合科の生徒は得意科目によって剣術科と魔術科に振り分けられるのが通例らしい。  途中から参入したクラスで、他の生徒とも馴染みにくく、しかも実力は大きく劣り、辛い学園生活を送るというのがこれまでのパターンだったようだが、俺たちの学年は幸いなことに半数以上がしぶとく生き残り――ほとんどプラシの影での努力や工作のおかげ――総合科クラスは2年になっても継続して存在することになった。  2年の修練度発表会では、シノブはバーナードを撃破するも、魔術戦では去年と同じくあっさり棄権。  今回は魔術戦にまわってきたエルーラは、プラシに出番を譲られて出場機会を得たミッツィに圧勝。  ミッツィを出場させたのは、俺たち4人のパーティを存続させるためでもあった。  発表会で戦った代表でもないのに、同じサポートメンバー、つまりはミッツィを仮登録させ続けるのはよろしくないと学園側からの通達があった。  で、エルーラは複合戦で俺に破れた。  ロイエルトなき剣術魔術連合では、おかざりの大将が複合戦で俺に向かってきたが、俺の相手を務められるだけの力は持っていなかった。
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