疾風迅雷

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 3年時、異例中の異例。そのまま総合科としてまたも居残りを果した俺たちクラスメイトの中で、伸びる奴は剣術科や魔術科にも負けない実力を手に入れたりもした。  成長著しかったのはプラシとミッツィ。  魔術科でも中程度の実力になっただろう。  シノブはというと、俺との手合わせやギルドの依頼を重ねて強くなっているのは強くなっているが、どうにも融通の利かない戦闘スタイルのため評価がしづらい。一言で言えばムラがある。  それでも、魔術抜きにして考えると俺に次ぐ実力を持っていたかもしれない。  事実、3年時の修練度発表会では、一戦目にシノブが雪辱を賭けて挑んできたエルーラを打ち倒し、プラシは魔術科のトップと接戦を演じた。  俺は、結局魔術戦と複合戦で計二勝。名実ともに学園最強の地位を得た。二つ名は相変わらず、『災難を呼びし者』とかだったけど。  1年のときのロイエルト戦で変な絶叫をしたのが延々ついて回る。あれ以来はほんと大人しく過ごしているというのに。人の噂も75日とか言うのは嘘だ。
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