第1章

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一体、どれくらいの時間が過ぎたのだろう。ヨウは、ようやく夢の世界から現実の世界へと戻ってきた。 「おー、やっぱ夢だったかー」 ヨウは、寝起きスッキリだった。 「イテー! なんだこりゃあっ!!」 ヨウは、さっきと同様、腫れ上がった手をみて驚いたが、今度は気を失わないですんだ。ヨウは、再び冷静に状況を見つめ直してみた。 まず、夢ではないこと。 そして、あのアナウンスが信憑性を帯びてきたこと。 しかし、夢ではないことは分かったものの、被害者チームやら加害者チームやらに分かれていて、殺すだの殺されるだのはまだ信憑性が低い。非現実的だ。ただ、とりあえず部屋の外へ出て、周りがどのような状況か、そこから自分がどの辺にいるのか、それを確かめる必要があった。そして、ヨウは外へ出た。 「なんだ、ここは!」 眼前に広がったのは、廃墟だらけの景色。自分が一体、どこにいるのかすら眼前に広がる景色をみても検討がつかなかった。 「とりあえず、ここから出口を探さなきゃいけねーか。」 ヨウは廃墟の中へとあるいていった。 「手はイテーわ、腹が減ったわ、ろくなことねーな」 ヨウは独り言を呟きながら歩いていた。 「あー、カレー食いてー!」 ヨウは少し大きな声で言いながら、そのまま歩き続けた。
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