第1章

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智也はまず、辺りの風景をスマホのカメラアプリを作動して、写真におさめた。 そうすることによって、あとからその写真を見直したときに、何か気付かなかったことに気づくかもしれないからだ。 しかし、電池容量は限られており、電池のムダづかいはできない。スマホを省エネ設定し、必要なときにだけ使うよう心がけながら、歩いていく先々で必要最小限の写真を撮った。 「ふう、ここらで休憩にしようかな」 そう智也は思い、廃墟の中で軽く地べたに座り、一息つくことにした。そして、さきほど、撮った写真を見直してみることにした。一枚一枚、丁寧に何か些細なことでいいので、おかしなところやこの状況を打開するようなヒントになるものはないかと探した。そのときだった。一枚の写真に智也は何かの違和感を覚えた。他の写真とは違う違和感を。いまいちど、その写真をよく見直してみた。
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